発注して本が届いたので読んでみると、本は絵が多くて漢字にはたいていかながふってある小学生向けの伝記の絵本だったのです。
しかし、家庭の事情で学業を放棄し、不本意ながら菓子職人になった小田さんが菓子作りに魅せられて厳しい修行に耐え、倒産寸前だった菓子店を北海道一で全国各地のデパートの物産展では人気の有名店にまでにのし上げたことを簡潔にかつわかりやすく記述してあります。
特に印象的だったのがこの本では明記されていませんが、修行先の小田さんの叔父が経営していた札幌千秋庵で小田さんは叔父さんから厳しく怒られながら修行をしていたのですが、叔父さんは小田さんの職人としての才能を見抜いて仕込んでいたのではないかと思わせます。
六花亭は前の社名が「帯広千秋庵」で小田さんの別の叔父さんが経営していたのですが、病気が重くなって止めざるを得なくなり当時22歳だった小田さんが経営をまかされることになりました。
とても厳しい環境でしたが、離散状態だった小田さんの家族が再び一緒に生活できることになり、家族一丸・特にお母さんに支えられて常に倒産の危機にありながら経営を続けられることができました。
「もうこれで諦めよう」と家族で話をしていたころに国の配給制度移行を知った取引先の社長から融資をしてもらって大量の砂糖を購入たところ、経営の危機を乗り越えることができました。
これも努力家の小田さんの苦戦を知った取引先の社長が応援してくれたということでしょう。
その後、小田さんは徴兵され戦死してもおかしくない状況だったのですがなんとか無事に復員されて再び菓子職人としての生活に戻りました。 それからが小田さんの能力の見せ所で次々とヒット商品を開発して今の六花亭に至った次第です。
一流の菓子職人であり、経営者となった小田さんですが、様々な人の支えで今に至ったというのが印象的でした。
帯広千秋庵から六花亭に社名を変更したことについて興味のある方はこの本をご覧になってください。(笑)